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旅記録

高尾山は初心者向きではなかった

登山に興味が出てきた今日この頃。試しに、一般的に「初心者向き」と言われる高尾山へ、2019年8月24日(土)に行ってみました。
結論から言うと「初心者には向いていないのでは」という印象です。

前書き

先日行った中禅寺湖のキャンプで歩いた千手ヶ浜の遊歩道が、絶景がとにかく絶景でした。

そこで思いました。
もしかして、登山で山に登ればすごい絶景をもっと見られるのではないか、と。

ならば試しに少し山へ登ってみようかなぁ、とぼんやり考えたぼく。
調べてみたところ、東京からのアクセスであれば高尾山が初心者向きとのこと。また、いろんな人に聞いてみても、やはり「試しに高尾山登ってみれば?」と言われること多数。

よし、ではとりあえず高尾山行ってみるか、というのが今回の顛末です。

高尾山とは
  • 東京都の左端、西端にある山
  • 登山口までのアクセスは京王線の高尾山口駅で電車で楽々
  • 一般的に初心者向きの山、と呼ばれている
    • ケーブルカーもあるため、登るだけであればほんとに簡単。
    • 登山コースは6つあり、難易度もさまざまだけど、総じてそこまで高くはない。

高尾山は東京都の西端、山梨県近く。電車でもアクセスしやすい。

高尾山口駅をスタート

京王線高尾山口駅。

というわけで、やってきました高尾山。

アクセスそのものは新宿も通っている京王線から一本で最寄り駅まで来れるので、楽なものです。
ただのアクセスの良さは売りではありますが、夏の土曜日ともなればやはり人が多いですね。

駅前には大きなコースガイドが。歩き始める前に今一度見ておくのが吉。

さて、高尾山は6つのコースを持つ山です。
今回は最も難易度が高いという6号路を行くことにします。

リフトカーの麓駅。駅前には土産物屋や飲食店(お蕎麦のお店が多い)が軒を連ねています。

高尾山口駅から10分ほども歩けば、ケーブルカーの麓駅。
ここが本格的な登山コースのスタート地点です。

今回行く6号路はケーブルカーには乗らず、駅の左手からスタート。

この左手を通る道へ行きます。

駅を右手に進むと直後に分かれ道があるんですが、ここはまっすぐアスファルトの方(右側)を選択。
ここで左手の橋を渡ると、これまた6号路とは別の登山道になるみたい。

ちょっとわかりにくいので注意ですね。

スタートしてしばらくは、舗装された道路が続きます。

しばらくはこの道をゆったりと。歩きやすい。

やはり人が多いなー、と思いながらさくさく進みます。
たまに人が途切れる瞬間がありますが、基本的には人を見かけている時間の方が長い感じ。

お地蔵さん? がいました。

10分程度歩くと、分かれ道が出てきました。
で、6号路はここを左折して本格的な登山道に入っていきます。地面からしてそれっぽくなる。

そこを左に。

本格的な登山道の開始

入り口付近は砂利道とはいえ、しっかりと踏み固められているし大きな石などもないし、歩きやすい。

こんな道になりました。

木々に囲まれた中、右手には小川が流れているので多少の涼感があります。
ただし湿度もあるので、ちょっとじめじめしてるのは否めません。

途中、参拝スポット的な窟がありました。

登山道の横を流れる小川は水量は多くはないものの、少ないわけでもなく。
また、水も澄んでとてもきれいです。

川べりに降りる所があったので、ちょっと降りてみました。

6号路は段差があるものの、小川沿いをずっと歩く感じのコースみたい。

透明感もけっこう高めで、水温もつめたい。

しばらく歩くと、これまたスポットらしい滝行の場がありました。
水行道場というそうです。

もともとが修行僧のこもる山だった(と思う)ので、こういう施設があるそうな。

ただ、一般には立ち入り禁止になっているようで、中には入れませんでした。
調べてみたところ、有料で実際にうたれることもできるみたいですね。

今回はさっと軽く見て、先へ進みます。

横の回り道から、先へ。上から見えないように目隠しされてました。

水行道場の上側へ登ると、徐々に道が登山道っぽくなってきました。

木の根がワサッてなってた。

ほとんどの場所は今まで通り歩きやすい地面になってますが、一部で足を取られるようなポイントが出現。
ただ、若干道幅も狭くなってきたので、下りの人とすれ違うときちょっと注意が必要です。

実際の人通りとしては、

  • たまにグループで後ろから数人組がやってくる
  • 前(下り)からは1人がたまにやってくる

という感じ。
歩くペースなどが同期取れれば他の人の姿を見ずに歩けるものの、逆に歩くペースが乱れたりもしくは近い位置で同期してしまったりすると、ずっと他の人を見ながら歩き続けることになります。

基本はこんな道。狭くはなったけどまだまだ歩きやすい。

上がったり下がったり、と地味に上下動する道を歩いていると、次第にもさっと茂る緑に覆われ始めました。

緑のトンネル化。

ただ、また少し進むと緑は収まり、今度は地面に石などの凹凸が増えてくる。

そして高さもちょっと高くなったり、でもまた川が近づいたり。
となんだかよくわからない高低感。

とりあえず地味に変化に富んでるなぁ、という印象です。

6号路も終盤

やがて進むと、とうとうコースも終盤へ。
目玉の飛び石道へ入りました。

6号路の一番の目玉の飛び石。

ここは水量がさほど多くない小川の中に、飛び石が点在する道です。
たぶん6号路で一番の目玉だと思う。

……と事前調査では思っていたので期待していたのですが、正直なところそこまでではなく「ほーん」という感想でした。
まず、飛び石が飛び石(足場)として役割と果すかというと、あんまりそんな感じではなかったのが意外な結果。間隔が上を歩きにくい妙な幅ばかりだったし、むしろ足滑らせる分危険そうな印象。あとなにより、他の人が普通に前や後ろを歩いているので景色などを堪能する時間的余裕が取れないこと。

それはそれとして、飛び石を抜ければ、あとは6号路も終盤です。
最後に残るのは地獄の長階段

実質ラストにあたるめっちゃ長い階段。

こんな関門が最後の最後に立ちはだかりました。

実のところを言うと、わりとぜぇはぁ言いながらすでに満身創痍なぼくです。日ごろの運動不足が如実に結果に出ている模様。
これが登山の苦労なわけですね。

最後の体力を振り絞って、階段を昇っていきます。
なんだかんだで途中途中で休み休み行けば、まぁ大丈夫。

無事に階段を登り切った。

階段を登りきると、そこは広場になっていました。
ベンチなども添えられていて、休憩できるスポットみたいです。

頂上付近にある、ぐるっと頂上周りを巡る5号路。

そこから頂上へ向けて出発すると、さほどの時間もかからずに舗装された道路へ出ました。
これは頂上をぐるっと周回する感じに設けられた環状路の5号路ですね。

あとはもう少し歩けば、頂上です。

そして山頂へ

山頂の柱。

山頂へ到着。
展望台広場になっていていくつかのお店がある他、自販機やベンチが据えられた憩いの場的なものになってました。あとなんかトンボがたくさん飛んでた。

というか普通に人が多い。さすが夏の土曜日。人が多い。

さて、登頂できたのであれば、いよいよ登山の報酬である山ならではの絶景をば。
せっかくの展望台ですし、いざ!

山頂の展望台からの眺め。

なにこれしょぼい。

都心方面とかだから光化学スモッグとかで見通し悪いとかもあるんでしょうけど、たぶんこれ空気が澄んでてもやっぱり見晴らしは微妙そうな気配が……。下の木々もわさっと悪い意味で目立ってる感じですし。
また、それでもまぁ山頂だし登り切った後だしでさわやかな風に包まれながらほっと一息ついてリラックス、とかできれば良かったんですが、歩いているときから感じていた人の多さが非常に大きなネックに。人が多すぎてリラックスできない。

えー……なんだかなぁ……。
えー。

途中で見かけたお店で焼き団子。

あんまりにもあんまりで気落ちしてしまったので、帰りはさくっとケーブルカーで下ってしまいました。

今回たどったルート。行きは6号路、帰りはケーブルカー。

あとがき

あと下山してからちゃっかりお蕎麦も。

高尾山に対する初心者目線での所感をまとめると、こうなりました。

  • 難易度はほどよい登山
    • 日頃運動していないタイプの人だと、たぶん普通に息が切れたりするレベル。
    • 登山らしい運動量かと。なのでスポーツ的な意味で登山の入門、という面では向いてると思います。
  • しかし絶景みたいな「わかりやすいリターン」は期待できない
    • 山頂の広場からの眺めは、正直微妙です。
    • 道中は緑も多く川沿いの道だったのでマイナスイオン的な癒しはありました。が、正直細めの道は左右の緑の圧迫感がそこそこあり、解放感はなく。また、湿度もちょっとじめじめしている感じ。
      総合的にはプラスマイナスでいうとちょっとだけプラス、程度な印象。
  • 人が多すぎて、都会の息抜きなどには向かない

ぶっちゃけたことを言うと、ぼくみたいな「絶景を見たい」という動機で登山を、と考えている人には向かない山でした
特に初心者にとっては「最初のころに登った山への印象」=「登山というものに対する印象」になりやすいので、高尾山は初心者向きではないのでは? と思った次第です。

山登りという労力だけはかかるのに、肝心のリターンがほとんどない、という感想しか持てない。まぁぼくの場合は、先に中禅寺湖で絶景ハイキングコースを歩いてるから評価の基準が上がってる、という点もありそうですが……。
とりあえず初心者が山に登ろうという場合は、きちんと自分が登山に求めるものを踏まえたうえで山を選ぶことを個人的にはオススメしたい所存です。

たぶん高尾山については、山の植生や季節の変化などに目を向けて(景色以上に)山そのものを楽しむ、というのが正しい楽しみ方というか、方向性なんだろうなぁ。
あと、思い返してみると登山道そのものは変化なども程よくあったので、「登る(歩く)」という行為そのものは飽きずに楽しめました。