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旅記録

大洗キャンプ場で電車+ザックキャンプデビュー

バイクではなく電車を使った初めてのキャンプは、2018年10月6日(土)-7日(日)に行ってきた大洗キャンプ場でした。
電車キャンプも初めてでしたが、荷物の運搬でザックを使うキャンプも初めてでした。

初めての電車ザックキャンプ

「キャンプ」といえば、車やバイクで行く「オートキャンプ」が一般的です。

しかし車やバイクがない人はキャンプへ行けないのかというと、そんなことはありません。
電車やバスなどの公共交通機関+徒歩でも行けるキャンプ場があります。

荷物については、車やバスではないので大量に持って行くことはできません。
基本的にはザック(山用のリュックなど)にまとめて背負っていく形になります。

そのため、ザックを担いで電車などでキャンプへ行くことはザックキャンプ電車キャンプと呼ばれることが多いようです。

ザックキャンプについて
  • 移動手段は公共交通機関(電車やバス)
    • 行けるキャンプ場は「駅から近い」または「バスで行ける」範囲に狭まるものの、探してみるとけっこう見つかります。
  • 荷物の運搬はザック(リュック)やキャリーカートなど
    • ソロキャンプの場合はだいたい60L~45Lぐらいの容量のザックになります。
      デカい。そして当然ながら重い。
    • UL(ウルトラライト。超軽い)な装備品を揃えたベテランなどであれば30Lとかでも行けるみたいです。

なんだかんだあって愛車(バイク)がさようならしてしまったぼくも、こうしてザックキャンパーの仲間入りです。

行ける場所が限られるとか、荷物の量が限られるとか、まぁ色々と制限があります。
ありますが、行って行けないことはありません。

ならばもう、ザック担いで電車乗って行くしかないじゃないですか、キャンプ。

ザックを購入して、初めてパッキングしてみたの図。45Lだとかなりギリギリで、正直キツい。

ザックキャンプをするために、新たな装備品として容量45Lなミリタリー系のザックを購入しました。
ザックで行くキャンプですからね。ザック持ってないと始まらないですから。

ちなみにぼくが購入したのはカリマーSFのプレデター45です。
本当は登山用ザックの方がオススメなんですが、ミリタリー系が好きなので好みを優先しちゃいました。軍物って格好いいですよね。

ただ、これからザックキャンプを始めたい、という方には登山用ザックの60Lぐらいのサイズをオススメします。
その際はぜひアウトドア用品店や登山用品店などへ足を運んで、店員さんに実物のザックを背負わせてもらったりするとなお良いです。

キャンプ用にザックを買う場合の注意
  • ミリタリー用よりも登山用をオススメ
    • ミリタリーザックは背中に密着させて背負うタイプが多く、ともすれば重さが全部肩に乗ってきます。肩がパーンします。
    • 登山ザックは腰のベルトで荷重が腰に集まり、結果として腰で背負えるため、重い荷物も負担が少ないです。
  • 容量は60L前後をオススメ
    • 45Lだと「一人用のコンパクトめなアイテムが中心でもほとんど余裕がない」感じの最低限サイズです。
    • 特にキャンプを始めたてだと「あれもこれも持っていきたい」となりがちですので、60Lぐらいが余裕を持ててオススメです。
  • 買うときは実店舗で試しに背負わせてもらうとGood

なお荷物を詰めたザックが当然ながら巨大になりますので、電車などで行く場合はなるべく混雑を避けるようなスケジューリングが良いです。
特に有休取ったりして平日に行く場合は、朝夕のラッシュは避けないと地獄を見ますのでご注意ください。

電車で座った際のザック置きの例。
一人分の幅を普通にはみ出るので、上図よりも方向替えて(90度回して)横向きにした方が良いです。

そして必要なザックを入手したぼくが「最初のザックキャンプ地」として選んだのは、大洗キャンプ場でした。

前提として

  • 都内からも行きやすい場所(関東内)
  • 駅からも歩ける距離
  • 初心者向きの高規格キャンプ場

という条件のもと、さらに前々からチェックしていたキャンプ場リストから絞り込んだ末に決定しました。

大洗キャンプ場の基本情報

大洗キャンプ場は、茨城県の水戸のすぐ近くな海際にあるキャンプ場です。

茨城県の中段、県庁所在地な水戸から東の海際あたりにあります。

大洗キャンプ場について
公式サイト
  • 松に囲まれた林間キャンプ場
  • テントサイトは予約不要でフリーサイト
  • チェックインは9時~17時、チェックアウトは翌10時
  • 電車でソロだと一泊1,300円
  • 直火は禁止なので、焚き火の際は要焚き火台
  • 水戸駅からわずか3駅
  • 駅前からは十分歩ける距離で、バスもある
  • キャンプ場の隣には大きめのスーパーあり

ガルパンの聖地としてにぎわう大洗という町

アニメの聖地として町興しに成功した町」として全国的に最も有名なのが、大洗です。

ガールズアンドパンツァー(通称「ガルパン」)というアニメの舞台として何度も作中で登場し、主人公たちの所属する高校も大洗なのだとか。
ぼくはガルパンは未履修なので聞きかじり程度になりますが、作中の大洗も実際の大洗を忠実に再現されているようで、まさに聖地となっている町なわけです。

そして大洗が凄いのは、単に「アニメで舞台になった」というだけでなく、町側でもアニメのタイアップ的な感じでガンガンに前へ押し出していることなんですね。

行った当時、駅内で電車降りてホームから改札へ向かう最中にばっちし洗礼を受けました。

実際、大洗の街中を歩くといたるところにガルパンのポスターなどを発見することができます。
しかもそういったポスターなどが掲げられているのは、普通の一般的なお店なんです。床屋さんとか。

正に町ぐるみでアニメと連携したガルパンの聖地。それが大洗です。

しかし、大洗はアニメの聖地というだけではありません。
元来、大洗といえば港町として栄えた町でした。また海に面した町ですので、それに関連した観光スポットも多くあります。

大洗の有名観光スポット
  • アクアワールド大洗水族館
    • まんぼうがいるらしい。
  • 大洗磯前神社
    • 初詣の有名スポット。
  • 神磯鳥居
    • 海の岩の上にデデンと鳥居が立ってます。
    • 初日の出の有名スポット。
  • めんたいパーク
    • かねふくが運営する明太子のあれやこれやがまとまった施設。美味しい。
  • 大洗サンビーチ
    • 海といえば夏。夏の海といえば海水浴場。
    • キャンプ場もあります。
  • 大洗マリンタワー
    • とりあえずタワー。
    • 足元にはアウトレットもあるそうな。
他にも海鮮市場などもあったり、いろいろと盛りだくさんです。

特に水族館や神社、鳥居、めんたいパークなどは大洗キャンプ場からも比較的近い場所にあります。
キャンプがてらの観光、という意味でも見どころが多いのは良いですね。

また、大洗からはちょっとだけ離れますが、すぐ北には国営ひたち海浜公園もあります。
特に春のネモフィラの花畑が有名ですが、ネモフィラ(春)に限らず、一年中いろいろな植物の見どころがある公園です。
がんばれば大洗キャンプ場からも歩けなくはない距離ですが、素直に車などで行かれる方がおすすめです。

徒歩でも車でも、どちらでもそれなりに回れるスポットが多く、また町全体がアニメの聖地として独特な空気感もある。
大洗はそんな町でした。

大洗への都内からの電車でのアクセス

東京都内から大洗へ電車で向かう場合、ルートはだいたい次の2つがあります。

  • 上野~(JR常磐線)~水戸~(鹿島臨海鉄道)~大洗
    • 上野から特急を使わない場合は、常磐線で2時間ちょっと+鹿島臨海鉄道で20分弱、なので乗り継ぎが上手くいけば計2時間半程度です。
    • 特急を使う場合は上野~水戸間が1時間ちょっとになります。
    • 品川からも常磐線は接続してるので、乗りやすい駅でどうぞ。
  • ~千葉~(成田線)~佐原~(JR鹿島線)~鹿島神宮~(鹿島臨海鉄道)~大洗
    • 千葉行の手段は何通りもあるので割愛。
    • 千葉~佐原間が1時間半程度、佐原~鹿島神宮間が30分弱、鹿島神宮~大洗間が1時間ほどです。

要は大洗へ対して水戸経由で西側から向かうか、千葉経由で南側から向かうか、の2ルートですね。

早い方がいい、という場合は常磐線で水戸経由、がオススメです。
特急使えばなお早い。

逆に遠回りでのんびりでもよい、という場合は千葉経由の鹿島臨海鉄道満喫ルートもアリです。
もし途中下車して観光も、という場合はこちらのルートであれば佐原などがオススメです。北総の小江戸として有名で、風情のある町並みとなっています。

なお、大洗駅がある鹿島臨海鉄道は水戸と鹿島神宮をつなぐローカル線です。
SuicaやPASMOは使用できず、切符(券売機があれば乗る前に買う)や(券売機がなければ整理券を使って)現金での清算となりますのでご注意ください。
要は交通系カードが使えないバスみたいな感じです。

また、無人駅での乗降車は先頭車両の前のドアになったりします。
水戸駅や大洗駅などの有人駅では大丈夫ですが、もし無人駅で乗り降りする際はホームでの待ち場所や電車内での移動などにお気を付けください。

全体的に風情溢れるローカル線です。

あとたまにガルパンのラッピング列車が走ってます。
ガルパンつよい。

駅前から大洗キャンプ場へのアクセス

大洗キャンプ場周辺の地図。駅が見えない場合は縮小したり移動してご覧ください。

大洗駅から大洗キャンプ場へのルートは、次の4通りです。

  • バス:循環バス「海遊号」のアクアワールド・大洗ルートにて、「幕末と明治の博物館入口」にて下車(5分ちょっと)
  • 徒歩:北回りの大洗駅前通り(県道2号)沿いのルート
    • 途中で寄れる買い出しスポット:東京かねふく大洗工場直売店、ケーヨーデイツー
  • 徒歩:中ほどの祝町いささかりんりん通りのルート
    • 途中で寄れるスポットは特にないです。
  • 徒歩:海回りのサンビーチ通り(県道2号)沿いのルート
    • 途中で寄れるスポット:マリンタワー、めんたいパーク、大洗海鮮市場 など

基本的にはバスの方が楽だし早いのでオススメですが、徒歩でも歩けなくもないので歩いてみるのも悪くないです。
北回りルートや中ほどルートであれば20分~30分程度です。

(徒歩で)最短で行くなら北回りルートが、観光しながらなら海回りルートがオススメです。

大洗キャンプ場は広大な松林のフリーサイトがすごい

大洗キャンプ場の最大の特徴はとにかく広い松林なフリーサイトです。

見てくださいこの松林。いたるところに背の高い松が生えてます。

さすがにふもとっぱらほどのやばい広さではありませんが、比較対象としてふもとっぱらが出てくるレベルで広いのです。
入り口から奥の方まで歩くとけっこうな距離があり、その広さを感じさせます。

そして広さはありますが、ところどころに水道がありますので、水汲みの面ではあまり不便さは感じません。
ただし、トイレに関しては管理棟近くのものしか(通年では)置いていないので、あまり奥の方へ設営するとお手洗いの際にちょっと大変です。その点は注意が必要です。

日差しもしっかり遮るので、雨でなければタープはなくても大丈夫そうでした。

また、見た目のインパクトとしてはとにかく生えまくってる背の高い松が特徴的です。
そうです、大洗キャンプ場は松の林間キャンプ場なのです。

四方が松に囲われていることで防砂林・防風林の役目も果たされています。
そのため、キャンプ場そのものは海からかなり近い場所にありますが、海際独特の強風もあまり感じません。潮気もあまり感じません。

キャンプ場の隣がスーパーっていうのはすさまじく楽

キャンプで地味に問題になりやすいのが、食料の調達です。
車で行くオートキャンプであれば「さっと車を出して買い出しへ行く」といったこともできますが、荷の運搬量に限りのある徒歩キャンパーには特に大きな問題です。だってザックは家を出た時点でパンパンだもの。

それでも食料はどこかで調達しなければなりません。
キャンプの充実とか、あとお腹のために。お酒も飲みたいし。

ザックで行く徒歩(電車)キャンプの場合、一番のベストはキャンプ場のすぐ近くにスーパーがあることが理想です。
重い荷物を置いてから、さっと歩いて買い出しへ行く。いちばんらくちんです。

大洗キャンプ場はその理想を叶えます。
なんとキャンプ場のすぐ隣にスーパーがあるので、さっと歩いてさっと買いに行く、ということができちゃうのです。

調理不要なお惣菜を買ったりしちゃえば、バーナーやクッカーすら持ってく必要がなくなります。らくちん!

これは本当にすごいことで、素晴らしいことです。
駅前にスーパーがあったり、もしくは歩いて数分のところにコンビニがあったり、といったキャンプ場は多いですが、キャンプ場の隣に大きめのスーパーがある、というのはかなり珍しいです。

特に「ちょっと大きめのスーパー」というのが高ポイントなところで、品ぞろえが良いのは当たり前。
さらには普通に暖かいお惣菜とかも売ってたりするので、食事の選択肢がグンと増えてものすごく助かります。

ただし、いくつかの難点も

絶賛できるほどのよいところも多いですが、当然ながら「んー」となる悪いところもまぁあります。光があるところには闇もある。

  • 高温多湿な天候時にヤバいことになる
  • 緑で囲まれているため虫が多め
  • 松の葉がそこら中に落ちているためサンダルは不向き
  • 面積は広いがフリーサイトは起伏が多く、設営できる場所はけっこう限られる
  • チェックイン開始が早い時間(9時)のため、出遅れるとまともな場所が埋まってしまう

1つ目から3つ目までは、松の林間キャンプ場の負の面ですね。
四方を囲まれているため強風や砂が吹き込んでこないのは良いのですが、逆に言うと風が吹かないので暑い時期には暑いまま、ということを意味します。
また海際であることには違いがありませんので基本的に湿度があり、その影響で暑い時期は高温多湿となりやすいです。

ぼくが行ったのは10月の上旬でしたが、異常気象により30度前後まで上がるという夏の気温で茹だってました。
暑かったのでサンダルだったのですがこれも失敗で、足元に落ちている大量の松の葉がチクチクと刺さりまくってきつかったです。

また大洗キャンプ場のチェックイン開始時間は9時とわりと早い時間になっています。
メインがフリーサイトとなりますので、チェックインが開始され次第、順次いい場所は埋まっていきます。

ここで問題になるのがまともに設営できる場所はとても限られる、という点です。

回りが藪に囲まれてて虫が多い僻地エリアへ設営した例。
土曜でチェックインが遅くなると(ぼくは15時ぐらいでした)まともな場所はほぼ残っていませんでした……。

意外とフリーサイトは起伏が多く、平らな場所はそう多くありません。
キャンプ場入り口付近はまだ平らで広めの場所になっていますが、奥へ行けば行くほど、狭く傾斜のついたエリアになりやすいです。

早い者勝ちがフリーサイトの常ですが、大洗キャンプ場は午前9時スタートとなります。
特に人が多くなりがちな土曜などは早め早めにチェックインできないと、快適なスペースへの設営は難しくなるため注意が必要です。

まとめ:早めにチェックインできるのならオススメ

ぼくの場合は15時チェックインでさらに10月にもかかわらずの夏日でわりと散々なコンディションにはなりましたが、設営場所さえちゃんとしたところを選ぶことができれば過ごしやすいキャンプ場だと思います。
あと気温。たぶん夏よりも秋とか春とかの方が過ごしやすい気がしました。

周辺の観光スポットも多く、大洗の観光の拠点としてもよいかと。
北へ少し足を延ばせばひたち海浜公園もありますし、充実しています。

広くて松に囲われた林間キャンプ場で、隣にスーパー、周辺に観光スポット複数、と総合的にはとてもよいキャンプ場です。
早いチェックイン開始に合わせて入ることができるのであれば、オススメな感じでした。