神津島で3泊4日の島キャンプ・後編(まとめ)
前々から一度は行ってみたいと思っていた神津島。 友人と計画し、とうとう2019年9月21日(土)から24日(火)にかけて、3泊4日の長期キャンプをしてきました。人生で初めての離島です。
今回はその後編、旅後のまとめ記事です。
前回の記事はこちら。
今回の記事は下記の続きになります。
実際に神津島を満喫したうえで、もろもろをまとめてみました。
船でのアクセスについて
飛行機(調布→神津島)などは金額的にそれなりの額になるので(片道15,000円超)、現実的なアクセス手段としてはフェリーになるかと思います。
フェリーは大型フェリー(夜行)または高速ジェット船(昼行)の2種類があり、ぼくたちは今回、往復共に高速ジェット船での渡航を選択しました。
今回実際に高速ジェット船の方に乗ってみての感想はこんな感じ。
- 乗り心地が新感覚
- 大型フェリー(夜行)よりも圧倒的に早いけど、それでもやっぱり3時間超は普通に長い
- ずっとシートベルトで着席し続けるのは地味に辛い
早い、早いんだけど……まぁ3時間を超えると、普通に長いよね、という。
また、その間はずっと席に座り続けていなければならないため、正直なところ窮屈感もありました。新幹線ほど個々の席も広くないですし。
ただそれでも大型フェリーよりも圧倒的な単時間で済むのは魅力的だったので、比較してどちらが優れている、というよりは一長一短で性質が違うもの、という印象です。
- 大型フェリー(夜行)
- 「雑魚寝などでも寝れる人」「船旅感を感じたい人」はこっちがオススメ。
- 甲板などへ上がれるので、複数人でワイワイしたい場合もこっちがオススメ。
- 逆に言うと例えば「夜行バスで眠れない人」などには不向き。
- 高速ジェット船(昼行)
- 「とにかく最低限の時間で行きたい人」「一人旅でサクっと」はこっちがオススメ。
- 大人数などでは会話は他のお客さんに憚られるので、注意が必要かも。
なお実際に島への到着時間は、大型フェリーの方が早くに入島します。
ので、連休に合わせての旅程でスタートダッシュを決めたい場合は大型フェリーの方が良いかもです。(ただスタートダッシュを決めたいシーンがあるかはちょっとわからないです。無料キャンプ場はもう2020年3月で閉鎖になりますし)
オススメの滞在期間は3泊4日か、2泊3日
神津島を堪能したい、という場合は3泊4日程度あればのんびりと余裕ができるのでオススメです。
ぼくたちは今回3泊4日の旅程でしたが、1日目に十分動けるのであれば2泊3日でも大丈夫そう。ただ、雨などで動けない日が出る可能性もあるので、余裕を持つんであればやはり3泊4日ぐらいがオススメですね。
なおこれはあくまで「天上山」+「赤崎遊歩道」の2か所へ足を延ばす場合の日数ですので、どちらかだけで良い、とかであれば「-1日」して良いと思います。
赤崎遊歩道はともかく、天上山は普通に(初心者でも登れたとはいえ)登山なので、万人向けでもないですしね。
ちなみにそれほど広い島でもないので、観光スポットもそんなに多くはありません。細かいスポットはいくつかありますが、大きなもので言えばそれこそ赤崎遊歩道と天上山の2か所ぐらいです。
ですので、逆に4泊5日とかの超長期にすると時間を持て余す可能性も出てくるので、3泊以上は本当にのんびりしたい人向きですね。
神津島に対する全体的な感想
以下にまとめてみます。
- 良かった点
- のんびりとした島時間でゆったりタイム
- とにかく綺麗な青い海
- 初心者でも登れて眺めもすさまじい天上山
- 長浜キャンプ場の良かった点
- 人気が少なく、広々としたロケーション
- 夕日を見られる西向きの砂浜
- 外灯を除けば明かりもないため、満天の星空が超凄い
- 気になった点
- 島内の移動はバスの時間に縛られる
- 飲食店の数および開店時間が限られる
- 潮風などでとにかく体がベトつく
- 長浜キャンプ場の気になった点
- 小石だらけの海なので波の荒い日は泳げない
- 謎の黒いゴマ粒のような虫に注意
- マナーの悪い海外客が多かった
- 純粋に市街地から遠い
良かった点
のんびりとした島時間で(強制的に)ゆったりタイム
島といえば、やはり「のんびりとした時間の過ごし方」が特徴です。
島内の主要交通機関であるバスは1~2時間に1本と本数が多くなく、そのため半ば強制的にゆったりと時間が過ぎるに任せる、そんな過ごし方をするライフスタイルになります。
とにかく綺麗な青い海
本州から遠く離れた太平洋の中の島だからか、とにかく青くてきれいな海に囲まれた島です。
また神津島は複数の海水浴場+飛び込みできる赤崎遊歩道と、泳げるスポットは多くあります。そのため、夏に賑わう島です。
- 赤崎遊歩道
- 島の北の方で、市街地から徒歩で行くものではないので、基本はバスで向かう場所。
- 飛び込める木組みの橋が設置されていて、海もちゃんと深め。なので基本は飛び込みで遊ぶ場所ですね。
- 前浜海岸
- 市街地目の前でアクセス良好。お店も周囲に色々あるので一番遊びやすいかと。
- 砂浜の海岸で、もっともオーソドックスな印象。
- 沢尻湾
- 市街地から徒歩でも20分程度とまだ近め。
- 砂浜の海岸で、小さめの入り江になっていて波は比較的穏やか。
- 長浜海岸
- 赤崎遊歩道と近いが市街地からは徒歩50分以上とかなり遠い。
- 砂利の海岸で、岩なども多め。波が荒い場合は石礫が足に攻撃してきてとても海には入れない。
- 無料の水シャワー場が設置。
- 多幸湾
- 島の南西に位置するため、わりと市街地とは切り離された立地。
- 砂浜の海岸で、水もとてもきれいめ。入り江になっているため波も穏やか。
各海水浴場を見て回った感じだと、泳ぎやすさ的には
多幸湾>沢尻湾>前浜海岸>長浜海岸
って印象でした。
ただアクセスも加味すると、総合的なオススメ順は
前浜海岸>沢尻湾>多幸湾>長浜海岸
ってところですね。
なお波が荒れにくいのは 多幸湾>沢尻湾=前浜海岸>>>長浜海岸 って印象です。
というか荒れてる場合は長浜海岸は泳ぐの無理です。石が痛すぎて。
なお9月下旬でも、ぎりぎり泳げそうな水温ではありました。実際に飛び込めましたし。
ただ台風などで海が荒れている場合は水温も下がるし波も高いしで、普通に危ないのでオススメできません。というか危ない。
初心者でも登れて眺めがすさまじい天上山
まだちゃんとした本格的な登山経験はないぼくたちですが、神津島の天上山は登山道もそこまで歩きにくさもなく(段差まちまちな階段などなので整備された道路や階段に比べれば当然辛いですが)無理なく登ることができました。
高さも600m未満とほどほどで、むしろ初心者が入門する山としても良いんじゃないかな、と思います。
2つある登山道も1本道なので、(登った後はともかく)登山道そのものは特に迷わないですしね。
また、登山道および登った先についても、各エリアごとに特徴や景色がガラッと変わり、変化に富んでいて非常に良い場所でした。
なお低くても山は山ですので、最低限歩きやすい靴などは必須です。
またスマホへ登山用地図アプリなども入れていくことをオススメします。
長浜キャンプ場の良かった点
人気が少なく、広々としたロケーション
もっとも市街地から離れたキャンプ場だからか、前評判で聞いていた通り、人は全然いませんでした。
また面積もかなり広く、テントを張れるスペースもたくさんあったので、沢尻キャンプ場が埋まっていてもこちらは大丈夫、という具合です。
なおトップシーズンである8月を既に過ぎていたからか、そもそも海が荒れていて泳げる状況ではなかったからか、テント泊している人以外で観光客が来たりなどは全然ありませんでした。
夕日を見られる西向きの砂浜
さえぎるものの無い海際なので、沈みゆく夕日も見られます。
(早めの)晩酌には最適な自然の景色。
外灯を除けば明かりもないため、満天の星空が超凄い
満天の星空を見る条件は「周りに明かりがないこと」です。
神津島は太平洋上の島なので、島の周りは当然ながら海です。そのため、都心などとは比較にならないほど満天の星空を眺めやすいロケーション。
そんな神津島内でも、特に長浜キャンプ場は周りに光源となるものが道路沿いの外灯ぐらいしかありません。なので手で遮ったりするだけで、雲が無ければ怖いぐらいの星空が眺められます。またその外灯も深夜になると消灯されてました。
気になった点
島内の移動はバスの時間に縛られる
島内の主な交通機関はバスですが、当たり前ですが都心のように「〇分に1本」みたいな本数の多さはありません。1時間(~2時間)に1本程度です。ただそのバスの本数も夏はそれぐらいありますが、夏以外は本数も減るので要注意。
そのため、基本的に島内の散策などはバスの時間を考慮したうえでスケジュールを組み立てる必要があります。
また最終バスは19時ぐらいになりますが、市街地の飲食店の開店は18時ぐらいからがほとんどです。
そのため、市街地で夕食を食べるとキャンプ場へバスで帰ることができなくなります。
なお、島内の移動手段としてはレンタサイクルやレンタバイクもあるので、そちらの利用も視野に入れても良いかもしれません。特に市街地の民宿などへ宿泊している場合はおすすめです。
ただキャンプ場の利用者の場合は返却の際に市街地へ来なければならず、そこからさらにキャンプ場へ戻る手段はやはりバス……となってしまうので、キャンパーがレンタサイクルなどを利用する際はそのあたりのスケジューリングも必要になります。
飲食店の数および開店時間が限られる
飲食店は市街地エリアに数店あるだけで、いずれも開店時間はランチタイムや18時以降など、限られた時間のみとなります。都心のようにお昼前後から夜までずっと営業している飲食店はありません。
そのため、開店時間に合わせて訪れないと食事抜きになりかねないので、タイムスケジュールは考えなければなりません。
なおキャンプ場でのテント泊で一番お世話になった飲食店は、温泉保養センターに併設された食堂でした。温泉入って、そのままご飯も食べられるので重宝します。
とりあえず神津島内で押さえておきたい飲食店は下記ですね。
- よっちゃーれセンター
- 前浜海岸の観光協会すぐ近く。1階ではお土産も売ってます。
- 温泉保養センターの食堂
- もっとも立ち寄る頻度の高い温泉保養センターにあるので、自然と機会も増えるかと。
- Hyuga Brewery
- とにかく美味しい!
特にHyuga Breweryさんは美味しいので、滞在中に1度は訪れることをオススメします。
潮風などでとにかく体がベトつく
海なので当たり前ですが、潮風はベタつきます。
今回は強風吹き荒れていたのでなおさらでしたが、強風でなくても、基本的に海辺は風があるものです。ましてや島ですから、基本的に風=潮風になりますからね。
また意外な盲点だったのが、温泉保養センターの温泉は非常に塩水感が強いこと。
海際の温泉だから考えてみれば自然なんですが、温かい海水、ぐらいの塩濃度なんですよね。潮風と海水浴でベタついた体を、塩水でさっぱり汗を流す感じ。なので体はともかく、頭を洗う際はちゃんとシャワーから出たお湯で洗わないとゴッワゴワになるので注意が必要です。
まぁキャンプ場でテント泊の場合は、どうせ温泉保養センターから帰る道中ですでにまたベタつくんですけどね……。
長浜キャンプ場の気になった点
謎の黒いゴマ粒のような虫に注意
実は2日目の夜、こんな事件が発生してました。
黒い粒粒した虫、テントへ襲来。
ぱっと見というかじっくり見ても虫に見えないぐらい小さい、黒い砂みたいな粒々した虫が大量にどこからか湧き出てきて、気付いたらテントを囲まれていました。どうやら明かりに寄ってきたようで、特に夜は「襲来!」って感じの状況に。ただ昼間も普通にいたみたいで、パンダテントの友人もピョンピョンと(跳ねてくるんですこいつら)日中から襲撃されてました。
同じ虫、以前に牧場系のキャンプ場でも遭遇したなぁ……。
後日調べてみたところ、確信は持てなかったんですがもしかしたらヌカカという虫かもしれません。
マナーの悪い海外客が多かった
「利用客のマナー悪化に伴いキャンプ場の閉鎖」のお知らせが出ていましたが、利用してみてさもありなん。
実際、長浜キャンプ場はマナーが悪い客が多かったです。
長浜キャンプ場は「海外観光客が寝るだけの宿泊場所」として利用している客が多いようで、日中はテント群がたくさんあるものの人を見かけず、夜になると外国人が大勢帰ってくる、という傾向がありました。
海外では日本とはキャンプに対する文化が異なることもあり、わりと遅い時間までウェイウェイしている人もチラホラ。炊事場もずっと占拠されていて、ぼくたちは利用できない状況でした。
また、実は外国人に限ったことでもなく、日本人の利用客も見かけました……が、こちらも夜中まで大音量で音楽かけたりなど迷惑行為を普通にしてました。
車でやってきてバーベキューしながら騒いでいたのでたぶん島内の人な気もするんですが、確証はないです……。
ちなみにバスの運転手さん的には「別に(島の)人が来る場所でもないから誰の迷惑になるわけでもないし、閉鎖までしないでもなぁ」という感じでした。おおらか。
純粋に市街地から遠い
市街地まで片道徒歩50分は普通に遠いよ。
入浴施設の温泉保養センターですら徒歩30分ぐらいでやっぱり遠いよ。
長浜キャンプ場と沢尻湾キャンプ場は閉鎖したので注意!
2020年3月いっぱいをもって、神津島の西側にある2つの無料キャンプ場は閉鎖となりました。
(なおコロナ騒動による世間の自粛の流れで3月上旬から休止になっていたので、実質的に2月ぐらいまでで終わってしまっていました)
この沢尻キャンプ場と長浜キャンプ場の閉鎖に伴い、神津島のキャンプ場は多幸湾ファミリーキャンプ場が唯一となります。
あとがき
思ってた以上に良かった点もあれば、もにょもにょした点もある。光るある所に闇はある。
それでもトータルで見れば個人的にかなり満足度の高かったです。これこれ、島旅ってこういう感じだよね、という。
正直なところキャンプ場が市街地へのアクセスが悪い多幸湾のものしかなくなってしまったのでその点が非常に悩ましいですが、いつかまた行って、今度は天上山から晴れた眺めを見てみたい。
神津島はまた行きたくなる、そんな島でした。